熱田神宮の参道を歩くと社殿の少し手前辺りで古っぽい塀があることに気がつく。
壁の多くが茂みの下に隠れるようにあるので、社殿に気が向いていると、その存在に気がつかずに通り過ぎてしまう場合があるかもしれない。それ程周りと一体化していて、しかしながら存在感もある壁であるとも言えるかもしれない。
この壁は、織田信長が桶狭間で今川勢に戦勝した後に寄進造営したもので、作られてから450年ほど経っている貴重な遺産でもある。
この壁は、土と石灰を油で練り固め瓦を厚く積み重ねて作られており、見た目にも強固な雰囲気を醸し出し重量感の感じる仕上がりとなっている。長年、風雨に晒されながらも壁全体の保存状態は良く、熱田神宮を守るはずの壁が、あたかも熱田の森に守られているかのように感じてしまう。
素朴で飾り気のない壁だが、見ていて引き込まれるような魅力を感じる壁であり、当時の職人の魂が、現代の我々に伝わってくるようである。
今も熱田の神域を守るこの壁を、末長く後世に残していきたいものです。

